禁煙を始めた時、とっても口さみしく、色々なものを試した。ガム、あめ、昆布、苦みのあるもの、本当に色々とコンビニやスーパーで物色した。フリスクやミンティアも定番だった。甘いスイーツも、脳に直結して、少しの安らぎを与えてくれるけれども、甘み関係は、どんどん感覚が鈍って、際限がなくなってしまう。それはそれで体重増加や糖尿など、不健康まっしぐらで、禁煙の効果半減となってしまう。
もう、穴の空いた管ならなんでもいいやという感じで、ストローも口にくわえてみたけれど、太すぎて空気が簡単に入りすぎる。さきイカや昆布はずいぶん長いこと口の中に滞在してくれるけれど、お酒のおつまみ感がぬぐえない。
ところで、長男はブランコやアスレチックが大好きで、身体を動かせる公園を探しては、妻と三人で出かけていた。丸太にのぼり、ロープを渡る。落ちそうで、落ちない。まだ小さくて手が届かないところなんて、大冒険で、見ている方が緊張する。たいてい、子どもは、登るのは上手だが、降りるのは、そうでもない。子どもは、普通のアスレチックの遊具だけでなく、よくわからない所にいき、普通の人間が、しないことをする。公園にいくときは、いつ緊急状態になってもいいように、僕はいつも、お酒も飲まず、動ける格好をしていく。
公園にいるとき、タバコ吸いたさに襲われて、ソワソワ・上の空になってしまい、安全確保係の役目が危うくなった。ミンティアもなくて、公園からしばらく離れられない。集中力も途絶えていく。緑豊かな公園にあるのは、大空と、タンポポ。そう、僕にはタンポポがあったのだ。タンポポの茎を手でちぎり、口にくわえてみたら、なんともちょうど良く空気が出入りする。若干のほろ苦さもあって、安らぐ。禁煙にタンポポとは、意外な生活の知恵になった。
僕にとって、このタンポポの茎が、タバコの代わりとして最高のものだった。今考えると、犬の散歩地域だった。うーん。とりたてて、病気にはなっていない。
パパが、タンポポ食べてると、子供が大笑い。さすがに情けなかったが、真似をしてはいけませんと、教えた。